Risk Simulator
以前,慶應テクノモールに出品したRisk Simulatorのデモンストレーションです.
具体的には,例えば投資銀行がコールオプションを顧客企業に販売した後,どのように投資銀行自身のリスクをヘッジするか,についてデモプログラムで紹介しています.
グラフの見方
このグラフは,横軸に時間を縦軸に資産価格を取ったものです.
1.赤色は,オプションの原資産となる株価の推移を表しています.
2.緑色は,コールオプションの市場価格の推移を表しています.コールオプションの行使価格1000円,満期は,グラフの右端である500日後に設定されています.
3.紫色は,投資銀行が顧客に販売したコールオプションをヘッジするために,ヘッジポートフォリオの価格の推移を表しています.
投資銀行の目的は,「株価の変動リスクにさらされないように,ヘッジポートフォリオを作成すること」です.
言い換えると「緑色の曲線と紫色の曲線が完全に一致するように,ヘッジ比率をダイナミックに決定すること」です.
デモ動画
動画1:オプションを販売した後,満期まで一切のリスク管理を行わない場合
オプションの価格(緑)が日々変動しているのに対し,ポートフォリオ価値(紫)は変化しないことがわかります.
その結果,金融機関の損失 = (コールオプションの価格) - (ヘッジポートフォリオの価値)もまた変動しています.
動画2:オプションを販売した後,ダイナミックにヘッジ比率を変化させた場合
オプションの価格(緑)とポートフォリオ価値(紫)の変動がシンクロしていることが分かります.
また,金融機関がヘッジ比率を毎日細かく変更していることが動画からわかります.
これは,株価がどのように変動したとしても,金融機関の損失が0に近いことを意味しています.