研究内容

主たる研究分野はビジネス・エコノミクス、ゲーム理論です。経営上の戦略的意思決定問題を、ゲーム理論等の経済学的アプローチにより数理的に分析します。現実のビジネスやマネージメントの問題(マーケティング、提携、参入、プラットフォーム、サプライチェーン、ソーシャルネットワーク、IT、組織・・)から面白そうなテーマを拾ってきますが、その分析は数理モデルを通じて理論的に行います。
 なお、以下の記事(日本オペレーションズ・リサーチ学会の機関紙に掲載)でも研究室の様子を詳しく紹介していますので併せて参照ください。

修論・卒論

2022年度の修士論文のテーマ
  • ブランドスピルオーバー存在下におけるブランド小売企業の提携戦略
  • ネットワーク型寡占市場における安定な提携に関する一般化
  • Reference Group Effects の存在下でのプラットフォームの広告・課金戦略
2022年度の卒業論文のテーマ
  • メーカーの直販チャネルがあるもとでの小売業者とメーカーのタイアップ型ストアブランドの提供戦略
  • 動画ストリーミングサービス業界における差別化戦略に関するゲーム理論的分析
  • リポジショニングを踏まえた品質感度の異なる市場への参入戦略
  • グリーン製品における技術提携モデルに関するゲーム理論的分析
  • 飲食業界におけるプラットフォーマーによるサービス競争に関するゲーム理論的分析
  • ブランド製品におけるサプライチェーンへのブロックチェーン技術の導入に関するゲーム理論的分析
  • オープンイノベーション型プラットフォームにおける収益分配に関するモデル分析

輪講

2023年度のM1の輪講は、以下の2コマを行っています。
1)ゲーム理論
  • G. Owen著 "Game Theory" を読み、ゲーム理論を用いた研究を進めるために必要な理論的バックボーンについて、理解を深めることを目標にしています。
2)ビジネス・エコノミクス
  • 前期は大学院授業科目「ビジネスエコノミクス特論」を履修します。後期はビジネススクールにおける経済学のテキストとして定評のあるD.M.Kreps著 "Microeconomics for Managers" を読みます。それらを通じて、実際のビジネスにおいて経済学的に考えることの重要性を認識すると共に、社会に出てから自在に活用できるようにするための土台を築くことを目標にしています。

2023年度のB4の輪講は、以下の2コマを行っています。
1)ビジネス・エコノミクスの基礎

  • Oz Shy著 "Industrial Organization: Theory and Applications" を使って、経営の問題をゲーム理論やミクロ経済学を用いて分析するための基礎を学んでいます。3年生までの「経済原論」や「情報経済学」、「数理経済学」等の授業の復習もかねています。
2)経済学のための数学
  • Mas-Colellほか著“Microeconomic Theory”のMathematical Appendixを使って、経済学的アプローチを用いる上で必要な数学的基礎を勉強していきます。理系ならではの数学を生かしたアプローチによって、より論理的に分析を進められるようになることを目標とします。
なお、内容は年によって変わりますが、とりあえず今年はこのように進めています

卒業生の就職先

管理工学科らしくいろいろな業界に就職していますが、中でもコンサルティングファーム・シンクタンクと広告会社は当研究室の研究分野と特に関連の深い業界と位置付けています。これまで(2022年度まで)の業種別の就職者数は以下の通りです。傾向として、コンサルティング、製造、金融への就職が多いですが、コンサルティングと製造業は大学院卒での就職が主である一方で、金融は学部卒での就職が主という特徴があります(言うまでもないことですが、これらは当研究室に限った傾向であり、専門分野も異なる他研究室とは全く独立な結果です)。
なお、各年度ごとの詳細なデータはこちらをご覧下さい。

 コンサル広告製造ITインフラ商社金融新規事業その他
合計326191388231113
修士卒24414855677
学部卒8255331746
※「新規事業」はベンチャー系企業や起業など。
※「その他」には専門職、公務員、他大大学院進学も含む。
※転職している人(本人から連絡があったもののみ)については重複してカウントしている。
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