増田研究室

増田研究室を希望する管理工学科学部3年生へ

増田研究室の主な活動は輪講・ゼミで、実験の類はありません。輪講の具体的な形式は、研究室によっていろいろ違うでしょう。増田研究室では、以下のようになっています。学部4年生の輪講は通常、春学期に、週2コマまたは3コマ立ち上がります。このコマ数が、輪講の題材の数となります。学生担当者は、1コマ90分を使って、教材の解説をします。教材は、多くの場合は英文書籍ですが、和文書籍の場合もあります。目的は、知識を広げるというよりも、理解することです。主目的は、理論書をいかに精読するかを体得することにあるとも言えます。教科書に誤記などがあることはかなり稀ですが、我々が読む本には、誤記がたまにあります。輪講担当者は、担当部分の誤りを指摘しながら発表することを求められます。

研究のスタイルとしては、まずは理論を押さえて、それから応用問題に取り組みます。理論とは具体的には、ミクロ経済学、ゲーム論、確率、最適化などです。増田研究室は、管理工学科で経済系として分類されていますが、増田研で関係する経済学はミクロ経済学です。ミクロ経済学を理論的道具として、応用問題に取り組みます。ゲーム論、確率、最適化も、重要な理論的な道具です。応用分野としては、広く言えば経営科学の問題、もう少し具体的には、価格設定、サプライチェーン、契約、オークション、混雑の問題などを扱います。増田研究室は、管理工学科内では理論派最右翼?かもしれません。ですが、理論だけで応用とまったく結びつかない研究は、どちらかといえば増田研の主旨ではありません。

以下が、過去に学部輪講で使った本の例です。

・A. Mascolell, Microeconomic Theory
・J. Tirole, Theory of Industrial Organization
・K.T. Talluri and G.J. Van Ryzin (著) Theory And Practice of Revenue Management
・ミルグローム、「組織の経済学」
・岡田章、「ゲーム理論」
・クレプス、「MBAのためのミクロ経済学入門1,2」

大学院進学希望の学部4年生は、修士1年生の輪講にも出席します。以下が修士1年生の輪講で過去に使った本の例です。2冊目の本は、前半は学部、後半は大学院で使っています。

・V. Krishna, Auction Theory
・A. Mascolell, Microeconomic Theory
・D. Fudenberg and J. Tirole, Game Theory
・S.M. Ross, Stochastic Processes
・J.M. Ortega and W.C. Rheinboldt, Iterative Solution of Nonlinear Equations in Several Variables

例年夏休み中に、慶應立科山荘で3泊4日で合宿を行います。卒業研究は、夏合宿前または秋学期から始まります。卒論テーマ修論の要旨も見ることができます。研究室分け用の増田研究室説明に、近年の増田研究室の卒論・修論の内容を簡潔に解りやすく書きました。また、研究室の大学院生のために、モデル化に関する考えをまとめた書き物
私見:経営における数理モデルの目的」もあるので、参考にしてください。

プログラミングが苦手だとか実験が嫌いだという理由で、経済系の研究室を希望する人がたまにいるようです。増田研究室では、修士論文の研究段階でプログラミングをまったくしなかった人は今までほどんどいません。プログラミングは、あくまでも研究の手段でしかありませんが、多くの場合、プログラミングは不可欠の手段となります。そもそも、消去法で研究室を選択することは避けるべきことですが、特にプログラミングが嫌いだから増田研を選ぶというのは間違っています。

学部3年生のほどんどの人は、私から「情報経済学」の科目を履修しています。そこで、「増田研=情報経済学」と思う人が多いかもしれません。研究室で扱っている題材は、情報経済学と似たものも多くあるのですが、学生の印象は大分違うようです。その理由の一つは、研究室での題材は講義よりも理論的なものを扱っていることです。おそらく、もっと大きな理由は、講義では題材を易しく教えてもらうのであり、研究室では学生が自分で理解するということでしょう。

私が研究室で求めている人は、知識や記憶の多さを誇る人ではなく、ものごとを探求・理解したい人です。理論的なことが好きで、オペレーションズ・リサーチや数学を、経営。経済の問題で活用したい人です。私と一緒に理論的な研究を楽しみましょう!!
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