慶應義塾大学理工学部管理工学科  |  Department of Administration Engineering Faculty of Science and Technology, Keio University
慶應義塾大学大学院理工学研究科  |  Graduate School of Science and Technology, Keio University

現在の研究テーマ

枇々木研究室では、いくつかの研究プロジェクトグループを中心に研究を進めています。
ここでは、各研究グループが現在研究している内容を簡単に紹介します。



投資信託プロジェクト(KJ)

投資信託グループは運用会社と共同で資産運用のモデル開発に取り組む共同プロジェクトに取り組んでおります。 このプロジェクト(KJ-Project)は現在8年目を迎え、
   ① 数理計画モデルを用いた最適なアセットアロケーションに関する研究
   ② 金融市場の歪みを捉えた個別資産売買戦略
などをテーマとして研究しております。 毎月一回のペースで実務の方々とのミーティングを行い、時には本社に足を運んで研究の進捗状況を報告します。 アカデミックな斬新さを求められながらも、実務に近い目線でリスクやリターンに関してのパフォーマンスを重視しながら研究を行える環境にあることが投資信託班の醍醐味です。 近い将来、実際に世の中に出回る投資信託の商品を開発することが目的です。


資産運用グループ(AM)


資産運用とは、会社や個人が持つ資産を貯蓄・投資し、効率的に資産を増やしていくことです。 私達は、高度な数理モデルを駆使することで、金融市場を分析し、資産運用を効率化することを目指しています。 「貯蓄から資産形成へ」。少子高齢化が進む日本において、安定的な資産運用のニーズは日に日に高まっており、その一翼を担うことが私達の目的です。


最適執行グループ(EXE)


執行戦略とは、金融資産の取引を行うことが既に決まっているときに取引コストをコントロールするために執る、発注のタイミングや数量、成行や指値などの発注方法まで含めた戦略のことを指します。 最適執行戦略グループでは、金融資産の取引においてどのような執行戦略を執れば取引パフォーマンスを最適化できるのかを、市場データの分析や数理モデルの構築、シミュレーションなどを用いて数理的に導くことを目的として研究を行っています。 近年多くの金融機関がアルゴリズム・トレーディングやハイ・フリークエンシー・トレーディングに取り組んでいることや、東証が次世代株式売買システム「arrowhead」を導入したことなどもあり、本研究の重要性はさらに高まっているものと感じています。


FPグループ(FP)

FPとは、Financial Planningのことであり、個人年金や金融資産等といった個人の資産配分に関する研究を行っています。 家計は様々なリスクを抱えており、そのリスクを最小にし、かつ多期間における総資産を最大にするような最適資産配分問題に取り組んでいます。 個人資産配分ポートフォリオの最適解は生存率や対象期間等の諸条件に影響されるため、算出が複雑であるものの、人々にとって身近な問題であるため、近年盛んに研究されている分野です。


ALMグループ(ALM)

ALMとはAsset Liability Managementのことであり総合的な資産と負債の管理に関する研究です。 金融機関は企業の負債、資産がそれぞれ金融環境に対する様々なリスクを抱えているため企業の経営のためには 双方のリスクを総合的に管理する考え方(ALM)が必要になります。 私たちは銀行、年金基金、生保などの金融機関の持つリスクを定量的に把握した上での最適な意思決定などについて研究しています。


行動ファイナンスグループ(BF)

行動ファイナンスとは、人々は常に合理的に行動するとは限らない、という前提に立って経済のあらゆる現象や金融市場の動きを考えてゆく理論です。 中でも私たちは、Disposition Effectを考慮した短期的株価予測、株式信用取引における逆日歩予測、子会社における親会社名の引用が株価に与えるインパクトの検証など の研究に取り組んでいます。