研究内容

研  究

 人、モノ、金、情報などの経営資源を有効活用し、より少ないインプットでより多くのアウトプットを高い品質で生み出すことを目標に研究を進めている。
 この「品質」と「生産性」の追求は、国内外を問わず製造業における重要な経営課題で、各社日々その問題解決に向けた努力を継続している。「品質」と「生産性」を向上させるには、インプットとなる生産資源を有効に使用する管理技術が重要で、次の2つのアプローチからなる。
 ひとつは、製品の「品質」を維持・向上させる技術で、従来の品質管理では、発生する不良を偶然現象と捉え、その不良現象を確率的に管理してきた。しかし、我々は不良の発生を必然現象と捉え、不良発生ゼロにする技術(長田貴、設備管理学会誌 Vol.31 No.1をご一読頂きたい)について、実証的に研究を進めている。また、不良発生ゼロを維持・管理するために必要な活動の取り組み方、多様な生産データや設備データの解析、さらには、それらのデータを機械学習、ディープラーニングと言ったAI的な側面から補完する研究を進めている。
 恩師である川瀬武志先生は、この様な品質問題へのアプローチの相違について「後手型QC、先手型QC」と2018年に命名された。我々は従来までの統計的品質管理から脱却し、人作業や設備・機械での加工において、不良ゼロの条件、すなわち100%良品を生産する条件を追究する管理技術の開発を実証的に進めている。
 もうひとつは、「生産性」の高い仕事の仕組みを設計・運用する技術で、作業者の習熟や技能伝承、作業手順の決め方、治工具の設計、機械設備の配置や選択などtraditionalな改善により設備総合効率と言った個別システムの生産性向上を追究する研究を進めている。さらには、作業者間のつながり、設備間のつがなりと言った「もの流れ」に着目し、部品・材料から製品までのスループットを重視した改善(リードタイムの短縮・在庫削減)ついて、それを補完する情報システムの開発も含めて研究を進めている。

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