概要
本論文では
, 銀行のリスク管理を行うために開発された手法であるALMに対する数理計画法の適用とそのモデル化について議論する. 銀行全体のリスク管理のために, 経営の理念や目標などを反映させることができるような最適化手法によるモデルアプローチを行う. そこで, まず初めに最適化手法の特徴, 数理計画法によるモデル構築の具体的手順およびALMモデルの基本的な考え方を説明する. そして, シナリオで不確実性を考慮した問題を解くために, その方法論として主に目標計画法を適用できるALMモデルの定式化を行う. さらに, ALMモデルに対する数値実験を行い, モデルの有用性を検討する. また, 少し視点を変えて, 数理計画法が適用されているポートフォリオ選択問題に対する下方リスクモデルとALMモデルとの関係についても議論する.